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資生堂の志望動機の書き方を考えてみた

 資生堂といえば、日本の化粧品メーカーの中でもトップ企業であり、アジアNO.1の化粧品メーカーとして世界的にも知られた企業です。女性だけでなく男性用の化粧品も製造・販売していることから、男女問わず多くのファンを持ち、就活を行う学生にも非常に人気の高い企業です。

資生堂に入社を希望する人も当然多いのですが、面接やエントリーシートを通しほぼ確実に聞かれることになるのが志望動機です。志望動機を通して何を求めているのか、正しくポイントを理解して回答できるようにしておきましょう。 

資生堂エントリーシートの傾向

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資生堂では就活生に対して、エントリーシートでほぼ例年のように4~5問の小問を設定しています。それぞれ、文字数は多くありませんが、ひとつひとつじっくり考えて答える内容となっており、またその過程で企業研究を余儀なくされ、企業について深く知り考えるようになる良問と言えます。

 資生堂エントリーシートで志望動機を問われる場合、「どうして化粧品業界なのか」「どうして資生堂なのか」「どうしてその職種なのか」といった形で、細分化されて問われたケースが多くなっています。そのため、志望動機を事前に考えておくなら、より丁寧に細かく準備しておく必要があります。

 たとえエントリーシートで問われなかった場合でも、面接の際の質問として問われることもありますので、しっかり準備して対策を練っておきましょう。

資生堂の志望動機作りは企業研究をしっかりと

資生堂といえば非常に有名な化粧品メーカーですが、消費者としてファンとして知っている知識と就活で求められる知識は違います。そのため、企業研究をしっかりと行う必要があります。

 資生堂は創業が1872年ですから、明治時代になってすぐに創業されているという非常に長い歴史を持つメーカーです。創業時は日本初の洋風調剤薬局として生まれていることからもわかるように、最初から化粧品メーカーだったわけではありません

 現在は化粧品関係が主要な事業となっていますが、企業の理念は「美しい生活文化を創造します」というものになっていて、必ずしも化粧品にこだわっているわけではありません。包装や広告のデザインであったり、化粧品の土台となる肌の性質の研究、顧客へのコンサルティングなど、生活の中に美を追求するための様々なパートで質の高い結果を出し続けています。

 現在は売上が1兆円前後という非常に規模の大きな企業ですが、化粧品販売の裾野を女性から男性にも広げ、年齢の幅を広げ、さらには海外展開を行うなど常にマーケットの拡大に努めているのも特徴的です。今後、国内人口の減少によるマーケットの縮小をどう補っていくかも重要な課題です。

 求めている人材像をまとめると表現は様々になりますが、「好奇心があり、発想が豊かで、情熱をもって周囲を巻き込める人」です。常に変化する市場環境の中で新しいチャレンジができる人が求められていると言えます。

 詳細に調べていけば資生堂の強みはたくさんあります。「自分が就職する企業として」の資生堂をよく考えて、志望動機に折込んでいきましょう。「ブランドが好きで」は社員にとっては嬉しい言葉ですが、評価の上では特にプラスにはなりません。

資生堂の志望動機の例文1(技術系)

「私が貴社を志望する理由は、企業理念に共感できたからです。

 大学で研究してきた生化学の知識を活かせる化粧品業界・化学業界で就職活動をしていますが、業務内容よりも考えが合う企業は少ないものだと感じていました。その中で、貴社の理念には大変共感することができました。化粧品を作ることが目的ではなく、その先にある顧客へのメリットを考えていることはもちろん、それを文化の域にまで高めていこうという大きなビジョンに感銘を受けました。

 私も研究を通し、貴社の考える「美しい生活文化の創造」に貢献したいと思っています。世界中がより美しく、また楽しくなるように、その土台を貴社で作っていきたいです。よろしくお願いします。」

 資生堂の技術系、つまり研究職の志望動機です。ここでは、企業理念への共感を志望動機としています。就活の中での企業の絞り方や、またその中で感じた資生堂の魅力を語っています。

 全体的にきれいにまとまっていますが、欲を言えばエピソード部分でもう少し企業理念に絡めたエピソードがほしいところです。どのようなバックグラウンドがあるから、その理念に共感できたのか、そういった視点から自己分析をしてみるとより説得力があり具体的なエピソードとなり、印象に残る内容となるでしょう。

資生堂の志望動機の例文2(美容職)

「私が貴社を志望したのは、メイクの可能性をより多くの人に知ってほしいと思ったからです。

 「メイクは女性のもの」というイメージはどうしても残っていますが、今や子供から老人まで、また男性でも日常的にメイクをする人が増えてきました。また、舞台などもメイクをするだけで全く出演者の見栄えが違います。先日、妹の高校の音楽発表会に行きましたが、メイクしてから舞台に上げてあげればもっとかっこよく素敵な舞台になるのにと残念に思いました。特に教育現場では化粧は悪という雰囲気が強いですが、TPOに合わせたメイクが大事だということをもっと教えていけたらと感じました。

 メイクはただ美しくするだけでなく、個性を際立たせ、また時には自信を持たせるなど心理的に与える影響も大きなものです。貴社は幅広い層に常に化粧品の可能性を提案している企業であり、私もその一員としてメイクの可能性を世界に発信していきたいと思いました。外国語は日常会話レベルなら4ヶ国語話せますので、磨きをかけてグローバルに活躍したいです。よろしくお願いします。」

 美容職はユーザーの話を聞き、肌を見たり触れたりしながら最適な美容を提案するコンサルタント職です。医師ではありませんが、様々な診断によってユーザーの状態を分析し、最適な美容方法を提案していく立場で、ひとりひとりが企業の看板でもあります。

 志望動機では、メイクの可能性について触れ、「女性が美しくなるため」のメイクではなくより広いメイクの可能性について発信したいとしています。エピソードも体験からのもので具体性と実感があるのではないでしょうか。

 最後に外国語が話せることにも触れていますが、ちょっとしたアピールによって仕事をしているイメージが持ちやすくなり、採用側も評価しやすくなります。よくまとまった内容です。

資生堂の志望動機の例文3(総合職)

「私が貴社を志望した理由は、「化粧品によって日々の生活を豊かにしたい」と考えているからです。

 私は休日にカフェ巡りをするのが趣味で、学生時代に1000件以上のカフェに足を運びました。その中で感じたのは、一番楽しいのはカフェについた時ではなく、出かける前のメイクの時間だということでした。不思議なことに、メイクによってその日に入りたくなるカフェが違ってくるんです。普段行けないお店に行けることもあれば、行き慣れたお店で妙にオドオドしたり、メイクひとつでこうも気分が違うんだと感じました。これがうまくコントロールできれば、もっと活動的で楽しい人生になるんじゃないかと考えるようになりました。

 貴社は最大規模の化粧品メーカーで、より多くのユーザーにメイクの影響を届けることができます。営業職として、自分の体験や、また貴社の商品の良さを伝えながら多くの人に「一瞬も一生も美しく」過ごすサポートをしたいです。よろしくお願いします。」

 総合職は他の企業と同じように様々な部門への配属がある職種です。ここでは特に営業職を希望しています。

 志望動機は比較的よく見るものですが、それが悪いということはありません。大事なのはエピソードで、エピソードでその本気度や理解度が見えてきます。このエピソードは体験に基づいた非常に具体的なもので、メイクと豊かな生活の関わりのイメージが感じやすくなっています。

 資生堂を選んだ理由も明快で、最後に自然な形で資生堂の「一瞬も一生も美しく」とコンセプトを持ってきているのも企業研究の跡が感じられて好印象を与えます。企業としても前向きな評価をしたくなる志望動機となっています。

資生堂の志望動機は自己分析が大切

企業のエントリーシートや面接で志望動機を確認してくる理由は主に2つです。

本気で志望しているか

本気で企業に入社し、そしてそこで働きたいと思えば、会社のことをしっかり調べ、また自分がその中でどのように働きたいかをよく考えるはずです。会社は長ければ30年、40年と付き合っていくことになります。「就職先は結婚をすると思って探すべき」とも言われますが、本気で相手のことを知ろうとし考えているかが、志望動機の中から見えてくるからです。

相性が合うか

志望動機やそのエピソードなどを詳しく知ることによって、その企業(または職種など)と相性が合うのかどうかが見えてきます。志望動機が評価され、良い印象として残るのは、考え方がマッチしていて、一緒に働くイメージが持てる場合です。結婚相手でたとえるなら、「あなたといると楽しいけど、ずっと一緒にいるイメージが持てない」ということにならないよう注意が必要です。

資生堂でも自己分析をしっかりする

華やかなイメージのある化粧品業界に憧れたり、また好きなブランド・企業として資生堂を目指す人も少なくありません。しかし、自己分析をしっかり行い、上記のポイントをしっかり踏まえた内容でなければ内定を得るのは難しいものです。相手を知り、自分を知ることが志望動機の作成では大事です。有名企業になると、企業研究に比して自己分析が浅い人が多く見られますので注意しましょう。

資生堂の志望動機の書き方のポイント

 資生堂の志望動機の書き方についてポイントを確認しておきましょう。

結論は最初に示す

志望動機を問われたら、まず最初にその結論を示すことです。最初に結論だけでも答えておくことで、質問する側も相手が質問を理解していることが伝わりますし、内容を把握しやすくなります。 

論理的な構成を心がける

志望動機の書き方では、結論を先に示すのが通例ですが、これは論文などで言うサマリー(序論、概要)にあたります。序論・本論・結論の流れに従い、序論で求められている答えを示し、本論で内容を深め、結論で再度趣旨を伝えるようにするとスムーズな論理展開になります。当然、話が一貫して流れるように論理構成に気を遣いながら作成しましょう。 

テーマに沿った内容を意識する

資生堂で問われる志望動機は、業界や企業、職種など細分化されている場合があります。そのため、設問に沿った形で回答するように注意してください。職種の志望動機を問われているのに資生堂が好きだという内容に固執したり、志望動機なのか自己PRなのか判断つかない内容にならないよう注意しましょう。 

具体的な体験談をエピソードに

昨今の就活では自分の体験をエピソードにするのが王道です。知識や情報を元にした内容は、今はインターネットなどで簡単に入手・作成ができてしまうため、真実味がなかったり、他の志望者と重複することが多くなります。自分の体験談は具体的な内容で説得力があり、またオリジナリティも出しやすくなるので他の志望者との差別化にもなります。

資生堂の志望動機作りでの注意

資生堂の志望動機において、注意事項も確認しておきましょう。

福利厚生の良さを主題にしない

志望動機の中には、福利厚生の良さに惹かれた場合ももちろんあると思いますが、その場合は他の志望動機にした方が無難です。企業の立場では、一緒に働きたい人とは「雇用環境を見ている人」ではなく「仕事そのものに魅力を感じている人」であることはすぐにわかるはずです。 

資生堂が好き」は当たり前と心得る

ブランドイメージが高い資生堂では、「資生堂」という企業や「特定のブランド」が好きでという志望動機も多く見られます。悪いことではありませんが、基本的に志望者全員がそういう人だと思っておいた方が良いです。つまり、あえて強調して伝えることではないということです。しっかり企業研究をしていれば、志望動機になりえるものはたくさんあるはずですのでよく調べ考えてみましょう。

資生堂の志望動機では具体的かどうかに特に注目しよう

 資生堂の志望動機では、その志望動機も詳細に問われることが多いため、細分化して考えておくことが重要となります。細かく考えていないと、具体的な内容が少なくなり、曖昧で一般的な内容になってしまいがちです。企業研究や自己分析をしっかり行い、具体的な内容になっているかに注目しながら作成していきましょう。具体性があれば志望動機にも自然と説得力が出てくるはずです。

 

化粧品が好きな人は楽しく働けそう